updated at 2019-01-07
実証実験シリーズ
身近な課題をAI(人工知能)やデータを活用して解決する試みです。
数式やコードを使った小難しい解説はしません。
項目
今回、挑戦するのはゲームでお馴染みのドット絵です。
ドット絵は、エディタを使って、1ピクセルずつ色を埋めて絵を作っていくのが正しい描き方です。
地道で根気がいる作業なのでAIに描いて貰う方法を模索します。
やりたいこと
カメラで撮影した写真をドット絵風の画像に変換して手軽にゲームの素材を作る。
イメージ
目標の確認
既に、ドット変換アプリやWebサービスなるものがあったので、試してみた。
元の写真 | 加工例1 | 加工例2 |
元の写真
加工例1
加工例1
コレジャナイ感が有ります。
要するに、ドット絵風の画像にする為には、
色数や画素数を下げる画像処理では無く、
デフォルメを含む変換が必要なのでは無いかと思われます。
別名「image to image(画像から画像)」とも呼ばれる
GAN(敵対的生成ネットワーク)の派生アルゴリズムを使って、写真の変換を試みます。
この方法では、生成ネットワークに対して、乱数(ランダムな数字)と入力値(この場合は写真)を与え、出力画像が目標(ドット絵)に近づくように学習します。
学習用データ80セットで丸一日学習させた結果
テスト用画像(元の写真)
テスト用画像(変換後)
滲んだだけのような・・・・
実用サイズに縮小しても、
クイズ「左は何バーガーでしょうか?」
ぐらいにしか使えません。
実験1は没です。
データを増やしたりパラメータを触ると改善が期待できそうな気配もしますが、
とにかく、この方法は学習用の画像のセットの用意に非常に手間がかかる為、保留にします。
Style Transferと呼ばれる方法を使用すると、 AIを使って画像から特徴量をスタイルとして抜き出して、他の画像に転用することが出来ます
下記のサイトでは、アップデートした画像でStyle Transferを試すことが出来ます。(変換できる画風は限定)
https://deepart.io/
Style Transferを使って、ドット絵から特徴量を抜き出して写真に適応させた結果がこれ
左側の木が写真を変換して作成した素材ですが、変な木です。
Style Transferは、元の画像から作成したテクスチャをターゲット画像に適応させているだけなので、加工効果が限定的です。
ドット絵感を出す為に、さらに試行錯誤は必要ですが、実験1と比較すると、変換に必要な時間は10分の1、 かつ、機械学習用データの前処理が不要になるので、実用的と言えます。
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