updated at 2019-9-6
地方自治体のオープンデータの公開状況の調査と期待される課題についてまとめています。
2018年の義務化に伴い、オープンデータの公開は増えましたが、利用には結び付いていないのが、現状です。
また、地方や団体によってオープンデータの質、量、オープンデータの活用に対する積極性が異なっており、
オープンデータの趣旨に対する理解度の差が透けてみえるのが現状です。
オープンデータの活用を促進する為に、寄せられた意見をまとめました。
オープンデータの定義
一般的に、オープンデータと言うと、パブリックドメインであるものを指しています。
著作権は、特許や商標権と異なり、創作された時点で発生致します。
パブリックドメインは、定められた年月の経過によって著作権が消滅したもの、
及び、著作者が、自らの著作物に対して、権利を行使しないことを保証するライセンスです。
第三者への利用を許可していても、著作者の表記、加工、再配布、利用の制限を強いているものは、オープンデータとは言えません。
政策の中では、電子行政やオープンガバメント推奨の一環としてオープンデータを推奨し、
健康、医療、介護、観光、金融、農林水産、ものづくり、防災、移動、インフラ、が重点分野として列挙されています。
都道府県や市町村に配布されたオープンデータ作成の手引きでは、
データ形式として「機械判読に適した」、
利用ルールとして「二次利用が可能」、
等の細かな要件が定められ、オープンデータの活用を推定したデータの作成が求められています。
予算が獲得できない状況で、 オープンデータの利用を模索する試みとして、各地で実施されているのが、公募やハッカソンによるアイデアの収集です。
例えば、大阪市立図書館では、館が所蔵するパブリックドメインの印刷物をデジタル化し、 ハッカソンを通じて、データの利用のアイデアを募りました。
http://image.oml.city.osaka.lg.jp/archive/
大阪市立図書館のハッカソンでは、AIの画像認識を使って、大量の所蔵データにタグ付けをし、分類作業を簡略化する試み等が実施されました。
ハッカソンの利用について
慣れた開発者なら、当日のうちに、成果物(アプリ)を作ることが出来ます。
所持しているデータの使い道が不明な場合は、システム会社に依頼するより、
ハッカソンのような場を活用したほうが、多様なアイデアを募ることが出来ます。
自治体の公開状況を確認する為に、東京都23区の授乳所に関するデータの公開情報について調べてみました。
(調査日:2018年4月)
区から範囲を広げて調べたところ、
都の管轄である東京都福祉保健局にも類するデータが有りました。
http://opendata-catalogue.metro.tokyo.jp/dataset/t000010d0000000027
オープンデータの形式にはなってはいませんが、
あきる野市が都のフレームワーク(赤ちゃん・ふらっと)の元でホームページに掲載しているテキストが、公開情報として、もっとも解りやすかったです。
http://www.city-akiruno-kosodate.tokyo.jp/scene/2/3/36.html
東京都以外の公開データについても一通り見てみましたが、 オープンデータの義務化を受け、体裁だけを整えた公開が目立ちました。
使えないデータの公開義務は、行政に不要な仕事を強いているだけなので、政府はアフターフォローをすべきでは無いのでしょうか?
手間を増やすことなく、これらの要件を満たすためには、
業務で使用しているシステムの中に、
フォーマット変換、非識別加工情報処理、Webへのアップロードなどを備えたオープンデータ公開の機能を組み込み、オートメーション化(自動化)することが望ましいのではないかと思います。
フォーマットが統一されている上に、更新頻度の明記、取得日も年を跨いで揃えるなど、データとしての評価が高い。
また、民間や学校とも連携して県民にとって役立ちそうな汎用性の高い情報を公開している。
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