AI導入事例「自動運転は実用化できるのか?」

セルフドライビング

「完全自動運転の実現まで、後、何年必要なのか?」

自動車メーカー各社は、SF漫画で描かれてきたような自動運転を実現化すべく、日々、奮闘している一方で、 2018年3月にUberのテスト走行車が市民に相手に死亡事故を起こしたように、 実用化が程遠いような印象も受けます。

自動車の自動運転の現状と直近の動向について考察します。

項目

AIによる自動車の自動運転

世界各国の自動車メーカーでは、「自動運転車」を「電気自動車」と並ぶ、次世代の柱として積極的な投資を行っています。
2018年時点で、US(北米)で、AI(人工知能)開発者に対して、もっとも高い報酬を提示し、プロジェクトへの参加を依頼するのは、自動車メーカーです。

日本でも、経済産業省が2030年を目標としていた完全自動運転の実用化を10年前倒した2020年に修正しました。
地域限定ではあるものの、直近の未来に誰も運転しない車が公道を走ることとなります。

数多くの実証実験では、既に平均的なドライバーより事故率が低いことが立証されていますが、実用まで2年を切った現在も障害が多いです。

自動運転の種類

自動運転の段階
情報提供型 注意喚起のみで自動運転ではない。
レベル1 加速・ハンドル操作・ブレーキの操作と衝突回避・車線キープのいずれかをシステムが行う。
レベル2 準自動走行
加速・ハンドル操作・ブレーキの複数の操作と 衝突回避・車線キープのシステムが並行して同時に行う。
レベル3 準自動走行
加速・ハンドル操作・ブレーキと衝突回避・車線キープの全てをシステムが行い、
システムが要請した時にのみ、ドライバーが操作を行う。
レベル4 全ての操作にドライバーが不要となる完全自動走行システム

※自動運転レベルについて
一般的に用いられる上記の分類の他に、5段階の分類や、 アメリカの運輸省道路交通安全局が定めるSAEと呼ばれる6段階分類も有ります。

実用化の動向

2017年の段階では、国内車は、レベル1の段階にすら達しておらず、情報提供によるドライバーのアシストに留まっています。

プリウスPHV

プリウスPHV

ブラインドスポットモニター
死角に並列に走行する車が入った場合は、LEDでドライバーに知らせる。
シンプルインテリジェントパーキングアシスト
車庫入れと縦列駐車をサポート

 

自動運転で他国をリードするドイツ車

自動運転で他国をリードするドイツ車

メルセデスベンツはEクラスのセダンとステーションワゴンでレベル2の自動運転である「ドライブパイロット」機能を搭載。
アウディA8では、レベル3の自動運転の搭載が予定されている。

制限速度が存在しない高速道路アウトバーン等のドイツ固有の環境も影響していると思われるが、 ドイツ政府は、自動運転を想定した法の改正を迅速に行い、安全の確保と規制緩和の双方のバランスを保ちながら、産業を後押ししている。

自動運転プログラム

自動車に搭載される自動運転のシステムは、センサーとプログラムによって成り立つ。
センサーは、人間の目の代わりに情報を集め、プログラムは、センサーから受け取った情報を分析し考える人間の脳の役割果たす。
手と足が行うハンドル・アクセル・ブレーキーの操作は、プログラムと自動車の間でダイレクトに行われる(機構制御のバイワイヤ化)。

走行時にレーダーとセンサーが収集している情報

レーダーとセンサーに加え、カメラが収集した画像(動画)データの自動処理も行われる。

レベル3以上の自動運転に不可欠な自動運転プログラムの開発で他社より一歩出ているのはTesla社とGoogle社の2社である。

TeslaのAutopilot GoogleのWaymo
Tesla Waymo

自動運転を助けるダイナミックマップ

従来は、カーナビが、視覚と音声の情報でドライバーをサポートしてきたが、自動運転下ではダイナミックマップがより正確な情報を与えることになる。

地図情報に対して、

等のレイヤー(階層)型の情報を構造的に与え、自動運転システムの自律的な動作をサポートする。

ダイナミックマップ基盤企画株式会社
http://www.dynamic-maps.co.jp/
2016年6月に設立。
自動走行・安全支援システムの実現に向け、静的情報・準静的情報・準動的情報・動的情報を組み込んだデジタル地図「ダイナミックマップ」の開発を進める

トヨタ、いすゞ、スズキ日産、日野、富士重工、本田技研、マツダ、三菱自動車、三菱電機、ゼンリン、他による共同出資会社。

自動車以外にも広がる自動運転

ドライバーや配達員の過労が問題視された業界3位のヤマトHD(ヤマト運輸)だが、 その一方で、現場の負担を軽減する配送に向けて積極的な取り組みを行っている。

「ロボネコヤマト」
DeNAと共同で計画中。
荷物を届け先が指定する場所に保管ボックスを設置した電気自動車で届ける。

「隊列走行」
富田通商と共同で計画中。
ドライバーが運転する先導車を無人の後続車が追尾センサーで追う。

航空機の自動運転

AIの進歩を待つまでもなく、航空機は既に自動操縦されている。
パイロットは離着陸を中心とした操縦のみを行い、 上昇、降下、高度の維持、進行方向の維持、エンジン出力の調整、は、自動運転で行われている。

オートパイロット

これに、膨大なデータの処理が可能なAIが加わることで、管制官の仕事をサポート出来るようになり、突発的な事態や気象の変化に即座に対応できる。

自動運転の課題

雇用の問題
完全自動運転が普及しても、A地点からB地点へ人や物を移動させるニーズがある以上、 運送会社もバス会社もタクシー会社も無くならないが、必要となるドライバー(運転者)の数は減る。

責任の問題
2018年5月、日本政府は自動運転による事故は、 車の所有者に責任があるとの考え方をまとめたのを受け、保険会社各社は具体的な保険の設計に入った。
今後、自動運転の事故も補償の対象とする方針だ。

刑事責任に関しても同様の趣旨で扱われるであろうが、 自動運転中の事故に対して、過失性が要件である危険運転致死罪が適応されることが無いであろう。

法律の問題
自動運転の普及を妨げている法律は2つある。

1949年「ジュネーブ道路交通条約」
第8.1条:運行されている車両又は連結車両には、それぞれ運転者がいなければならない。
第8.5条:運転者は、常に、車両を適正に操縦しなければならない。
第10条:車両の運転者は、常に車両の速度を制御していなければならず、また、適切かつ 慎重な方法で運転しなければならない。

1960年「道路交通法」
第70条:車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作せよ。

いずれも、運転者という定義が何を指しているかが争点となっているが、 この問題を解決しない限り、レベル4の自動運転が実現し、自動車の操縦がシステムに移っても、 ドライバーは、常にハンドルに手を添え続けなくてはならなくなる。

先述のドイツでは、自動運転使用時に限り、ドライバーは、スマートフォンを操作してメールをやり取りすることも法の下で許可されている。
前例の無い課題への取り組みには数多くの困難が付きまとうが、バランスを取りながら、ひとつずつ積み上げていく、地道さが必要である。


AI(人工知能)の学習データの売買プラットフォーム

Copyright Md.lab All Rights Reserved